ユニステラシチズン天文家が日本天文学会出版物に掲載された小惑星(3200)フェートンに関する新しい論文の共著者になりました。その名誉を得たのは、昨年、遠方の星の手前を通過して掩蔽した小惑星をeVscopeで観測した後藤干城様です。
後藤様他が収集したデータは、フェートンのそばを飛行してダストをサンプリングする次回のDESTINY+ミッションで重要な役割を果たします。研究者は日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)のミッションのおかげで、宇宙船が狙う小惑星のサイズ、形状、軌道を把握するためのデータを手に入れたのです。

フェートンは、その軌道が地球に近いため、潜在的に危険であると考えられている大きな小惑星です。その周囲には多数の小さな天体があるため、彗星の残骸である可能性や、太陽の熱によって分裂された小惑星の欠片である可能性も推測されています。この小惑星は、北半球で12月中旬に毎年発生するふたご座流星群の母天体でもあります。
DESTINY+ミッションは、2028年にフェートンのそばを飛行して小惑星の画像を撮影し、小惑星を取り囲む薄い塵の雲からサンプルを収集します。その塵は、太陽系の他の天体の構成を考えるための情報となり、地球上で生命が始まった仕組みをこれまで以上に解き明かす可能性さえあります。ただし、DESTINY+の打ち上げの前に、天文学者は小惑星をよく理解している必要があります。そのために、助けが求められたのです。
ユニステラのアンバサダーである後藤干城様は、ミッションを支援するために2021年10月3日にフェートンの掩蔽を観測した、プロとアマチュア総勢72人の天文家の1人でした。西日本から韓国にかけての観測者は望遠鏡を上に向け、小惑星が星の手前を通過する際に光が暗くなるのを観測し、小惑星自体に関する貴重な情報を明らかにしました。後藤様はベテランの観測者であり、太陽系外惑星の母星面通過や、加速中の彗星などを彼のユニステラ望遠鏡で見つけ出しています。しかし、後藤様が小惑星の掩蔽を見たのはこれが初めてでした。
「掩蔽が観測できる和歌山県まで遠征し、現地の知人といっしょに軽い気持ちで観測する予定でしたが、その場所がたまたまDESTINY+サイエンスチームが主導する掩蔽観測隊の集結場所であった偶然から、観測隊に飛び入り参加する形でeVscopeを用いて、本格的に掩蔽を観測することになりました。Unistellarに撮影データを送った翌日にUnistellarサイエンスチームからポジティブな分析結果(減光を確認)が届いたときは、とても興奮しました。この観測が私が小惑星による掩蔽現象を観測できた初めての経験となりました。」

他の17人の観測者も掩蔽を捉えることができ、その結果のデータは共著者として挙げられた観察者とともに最近の論文にまとめられました。新データのおかげで、天文学者は、フェートンの投影形状が6.12 x 4.14 km の楕円で十分に近似でき、変動はわずか70メートルであることを確信できるようになったのです。この情報は、科学者が小惑星の3Dモデルを作成し、DESTINY+チームのミッション準備に役立つ可能性があります。
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